ドメイン名の決め方|後悔しない5つのポイントと商標トラブルを避ける注意点
これから独自ドメインを取得する方に向けて、ドメイン名を決めるときの5つのポイントと、見落としがちな商標まわりの注意点を、わかりやすく解説
目次
- ドメイン名選びが大切な理由
- ポイント1:ドメインは早い者勝ち
- 取得できるかどうかの確認方法
- ポイント2:短くて覚えやすい名前にする
- 避けたほうがよい要素
- ポイント3:キーワードやブランド名を上手に活用する
- キーワードだけのドメインは、すでに取られていることが多い
- ポイント4:TLD(末尾の部分)を選ぶ
- 基本は「.com」、ただしこだわりすぎなくてもよい
- 用途に合わせた、新しいTLD
- TLDによる費用の違いにも注意
- ポイント5:過去の利用履歴を確認する
- 【重要】商標や、他社の権利を侵害しないように注意する
- 似た名前でも、問題になる場合がある
- 新しいTLDでも油断は禁物
- 日本の商標は「J-PlatPat」で確認できる
- ドメイン取得前のチェックリスト
- よくある質問
- ドメイン名は、あとから変更できますか?
- 日本語のドメインは使えますか?
- 「.com」が取れなかった場合は、どうすればよいですか?
- 複数のドメインを取得してもよいですか?
- まとめ
ウェブサイトやブログ、オンラインショップを作るとき、最初に決めなければならないものの1つが「ドメイン名」です。サイトの住所であり、名刺にも載る「顔」のような存在ですが、勢いで決めてしまい、あとから「もっと覚えやすい名前にすればよかった」「商標の問題で使えなくなった」と後悔する方も少なくありません。
ドメイン名は、一度決めて運用を始めると、簡単には変更できません。後から変更すると、これまで積み上げてきたアクセスや検索エンジンからの評価に影響が出る場合があるためです。だからこそ、取得する前の段階で、じっくり考えておくことが大切です。
この記事では、これから独自ドメインを取得する方に向けて、ドメイン名を決めるときの5つのポイントと、見落としがちな商標まわりの注意点を、わかりやすく解説します。
ドメイン名選びが大切な理由
ドメイン名が重要とされる理由は、大きく3つあります。
- 長く使い続ける:サイトを運営する限り、基本的には同じドメインを使い続けることになる
- 覚えやすさに直結する:ユーザーが再訪したり、人に紹介したりするときの、覚えやすさが変わる
- 信頼感に影響する:名前や、末尾(TLD)の印象が、サイトの信頼感につながる
途中でドメインを変更する場合は、旧ドメインから新ドメインへ、301リダイレクト(恒久的な転送)を設定するなどの対応が必要です。それでも、一時的にアクセスが減少するなど、影響が出る可能性があります。「この先もずっと使っていける名前か?」という視点で選ぶようにしましょう。
ポイント1:ドメインは早い者勝ち
独自ドメイン取得の大前提として、「ドメインは早い者勝ち」であることを覚えておきましょう。
ドメイン名は、世界中で1つしか存在できません。誰かが先に取得してしまうと、同じ名前のドメインは、他の人が使うことができなくなります。
たとえば、旅行関連のサイトを作ろうとして、「travel.com」や「tabi.com」のような、わかりやすいドメインを取得したくなったとします。しかし、こうした一般的な単語や、短くて覚えやすいドメインは人気が高く、すでに取得済みであるケースがほとんどです。

ドメイン名のアイデアが浮かんだら、決めきれずに迷っているうちに、他の人に取られてしまうこともあります。「これだ」という名前が決まったら、早めに取得して確保しておくのが安全です。
取得できるかどうかの確認方法
希望のドメインが取得可能かどうかは、ドメイン取得サービス(レジストラ)のサイトで、簡単に調べられます。ほとんどのサービスには、ドメイン名を入力する検索窓があり、TLD(.comや.jpなどの部分)を除いた名前を入力すると、複数のTLDについて、空き状況が一覧で表示されます。
たとえば、「cafetokyo」と入力した場合、次のような結果が確認できます。
- 「カートに追加」などと表示されているもの:まだ誰にも取得されておらず、取得可能
- 「取得できません」などと表示されているもの:すでに誰かが取得している
また、ドメインチェッカーなどのツールで、ドメインの登録情報(Whois)やDNSの設定状況を調べれば、そのドメインがすでに使われているのか、どのように運用されているのかを確認することもできます。
ポイント2:短くて覚えやすい名前にする
ドメイン名は、できるだけ短く、覚えやすいものにするのが基本です。長すぎるドメイン名は、ユーザーに覚えてもらいにくいだけでなく、入力するときのタイプミスも増えやすくなります。
シンプルなドメインは、口コミやSNSで紹介するときにも便利です。「○○.comで検索してみて」と、口頭でも気軽に伝えられるため、自然と広まりやすくなります。
日本でも有名な価格比較サイトの「価格.com」が、「kakaku.com」というドメインを使っているのは、ブランド名とドメイン名が一致している、わかりやすい例です。ここまで完璧な名前を見つけるのは難しいかもしれませんが、サイトの内容やブランド名とマッチした、シンプルな名前を目指しましょう。
避けたほうがよい要素
| 要素 | 避けたい理由 |
|---|---|
| 多用したハイフン(-) | 口頭で伝えにくく、入力ミスも起きやすい。ハイフンだらけのドメインは、スパムサイトや低品質なサイトに使われてきた歴史があり、印象も良くない |
| 数字の混在 | 「2」と「to」、「4」と「for」のように、読み方や表記が揺れやすい |
| 紛らわしい文字の組み合わせ | 「l(エル)」と「1」、「O(オー)」と「0」など、見間違いやすい |
| 極端に長い名前 | 覚えにくく、名刺やSNSでも収まりが悪い |
ハイフンの使用自体が、検索順位を下げるとは明言されていません。しかし、ユーザーにとっての覚えやすさや、伝えやすさという意味で、できれば避けるのが無難です。
ポイント3:キーワードやブランド名を上手に活用する
ビジネスやサイトの内容に関連するキーワードを、ドメイン名に含める方法があります。たとえば、カフェを運営しているなら「coffee」「cafe」、歯科医院なら「dental」「shika」など、サイトの内容が一目でわかる単語を入れると、ユーザーにとって親切なドメインになります。
なお、ドメイン名にキーワードを含めることによる、検索順位への直接的な効果は、以前ほど大きくないと考えられています。SEOの効果を期待して無理にキーワードを詰め込むよりも、ユーザーが内容をイメージしやすく、覚えやすい名前になっているかどうかを、重視するのがよいでしょう。
キーワードだけのドメインは、すでに取られていることが多い
キーワードそのものだけのドメインは、ほとんどの場合、すでに取得されています。そこで、次のような組み合わせで考えると、取得可能なドメインが見つかりやすくなります。
- キーワード+ブランド名:例)
coffee+sakura→sakuracoffee - キーワード+地域名:例)
cafe+tokyo→cafetokyo - キーワード+屋号や人名:例)
design+tanaka→tanakadesign
ポイント4:TLD(末尾の部分)を選ぶ
ドメイン名の末尾にある「.com」「.jp」などの部分を、TLD(トップレベルドメイン) といいます。TLDにはたくさんの種類があり、何を選ぶかによって、サイトの印象や用途が変わります。
基本は「.com」、ただしこだわりすぎなくてもよい
できることなら、「.com」を取得するのが理想的です。世界中で最も広く使われているTLDであり、企業や個人が優先的に選ぶため、信頼感や知名度が高く、特に海外への展開を考えている場合には、第一候補になります。
ただし、「.com」にこだわりすぎる必要はありません。希望する名前の「.com」がすでに取得されている場合は、他のTLDを検討しても問題ありません。たとえば、日本向けのサイトなら「.jp」も、広く使われています。「.jp」は、日本国内に住所を持つ個人や組織が取得できる、日本を代表するTLDです。「.net」や「.biz」なども、多くのサイトで利用されています。
用途に合わせた、新しいTLD
近年は、昔に比べてTLDの選択肢が大きく増えました。特定の分野や業種に特化したTLDを使うと、サイトの内容が直感的に伝わり、ブランドの印象づけにも役立ちます。
| TLD | 向いているサイト |
|---|---|
| .design | デザイナーやデザイン会社、クリエイターのポートフォリオなど |
| .shop | オンラインショップ、ネットストアなど、物販を中心としたサイト |
| .studio | 写真、映像、アート、音楽など、制作活動を行うスタジオのサイト |
| .photography | プロ・アマ問わず、写真家が作品を公開するサイト |
| .app | モバイルアプリやWebアプリの公式サイト |
なお、「.app」は、セキュリティの観点から、HTTPS(SSL/TLS)による接続が必須となっているTLDです。利用する場合は、SSL証明書の設定を忘れないようにしましょう。
TLDによる費用の違いにも注意
TLDによって、取得費用や更新費用は大きく異なります。特に、初年度は安価でも、2年目以降の更新費用が高くなるケースがあるため、取得前に、更新時の料金を必ず確認しておきましょう。
ポイント5:過去の利用履歴を確認する
新しく取得できるドメインの中には、過去に別の誰かが使っていた(一度手放された)ドメインが含まれていることがあります。こうしたドメインは、過去にスパムサイトなどに使われていたことがあると、思わぬ悪影響が出る可能性があります。
取得前に、インターネットアーカイブなどで、過去にどのようなサイトが公開されていたかを確認しておくと安心です。また、ドメインチェッカーなどのツールで、登録情報や、DNSの状態を調べておくのもよい方法です。
【重要】商標や、他社の権利を侵害しないように注意する
ここまで、ドメインは空いていれば自由に決められるとお伝えしましたが、ひとつ、必ず知っておくべき注意点があります。それは、ドメインが取得できることと、そのドメインを使ってよいことは、別問題だということです。

すでに他の企業や個人が、同じ名前で事業を行っている場合や、商標登録がされている場合、似たドメインを使うと、法的なトラブルに発展する可能性があります。
たとえば、先ほどの「cafetokyo.com」がすでに取得されていたため、代わりに「cafetokyo.jp」を取得したとします。もし、「cafetokyo」という名前が、他社の商標として登録されていた場合、商標権の侵害や、なりすましなどを理由に、ドメインの使用差し止めなどを求められるおそれがあります。
似た名前でも、問題になる場合がある
商標の一部を変えたり、似た名前を使ったりした場合でも、意図せず問題になることがあります。特に、次のようなパターンには注意が必要です。
| パターン | 例 |
|---|---|
| 文字の置き換え(見た目を似せる) | 有名ブランド名の「l」を「1」に、「o」を「0」に置き換える |
| 文字の追加・省略(タイプミスを狙う) | 有名サービス名の「o」を1つ増やす |
| ブランド名+一般的な単語 | ブランド名に「store」「online」などを付け足す |
| キャラクターや作品名を含む | 映画やアニメなどのタイトル・キャラクター名を含める |
これらは、ユーザーが公式サイトと勘違いしてしまうおそれがあるため、悪意がなかったとしても、権利者から商標権の侵害を主張される可能性があります。また、他人のブランド名などを利用して、不正な利益を得る目的でドメインを取得・使用する行為は、不正競争防止法などの規制の対象となり得ます。
新しいTLDでも油断は禁物
「.design」や「.app」などの新しいTLDでは、まだ空いているドメインが多く見つかることがあります。しかし、「.com」などで同じ名前が取得されていて、その名前が商標登録されている、というケースもあります。
たとえば、有名企業のブランド名に、「.design」を付けたドメインが空いていたとしても、それを取得して使うことは、商標権の侵害となる可能性があります。「空いているから大丈夫」と考えず、必ず事前にチェックしましょう。
日本の商標は「J-PlatPat」で確認できる
日本国内の商標は、特許庁が提供する「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で調べられます。
使い方は、サイトにアクセスして、商標の検索画面を開き、ドメインに使いたい名前をキーワードとして入力するだけです。
たとえば、東京でeスポーツに関する事業を行おうとして、「tokyo esport」のような名前を考えたとします。このように、一見すると一般的な単語の組み合わせでも、検索してみると、関連する商標が登録されている場合があります。その場合は、その名前でドメインを取得するのは避けたほうが無難です。
なお、商標の判断には専門的な知識が必要なケースもあります。事業として本格的に運営する予定があり、判断に迷う場合は、弁理士などの専門家に相談することをおすすめします。
ドメイン取得前のチェックリスト
取得の直前に、次の項目を確認しておきましょう。
- 短く、覚えやすい名前になっているか
- 声に出して読んだとき、他人に正しく伝わるか
- 不要なハイフンや数字、紛らわしい文字が入っていないか
- サイトの内容やブランド名と、合っているか
- 選んだTLDの、更新費用を確認したか
- 他社の商標を侵害していないか(J-PlatPatなどで確認したか)
- 過去に別の目的で使われていたドメインではないか
- この先、長く使っていける名前か
よくある質問
ドメイン名は、あとから変更できますか?
技術的には変更できますが、おすすめはできません。変更すると、アクセスや検索エンジンからの評価に影響が出る可能性があるため、301リダイレクトの設定などの対応が必要になります。最初にしっかり考えて決めるのが理想です。
日本語のドメインは使えますか?
日本語ドメイン(日本語で表記できるドメイン)も存在しますが、入力の手間や、URLがわかりにくい形式に変換されるなどの理由から、一般的には、英数字のドメインのほうが広く使われています。
「.com」が取れなかった場合は、どうすればよいですか?
無理に「.com」にこだわらず、「.jp」「.net」、あるいは、サイトの内容に合った新しいTLDを検討して問題ありません。もしくは、名前の候補そのものを、別のものに見直す方法もあります。
複数のドメインを取得してもよいですか?
はい、問題ありません。たとえば、「.com」と「.jp」の両方を取得し、一方をメインのドメインにして、もう一方から転送するといった使い方をする方もいます。ただし、その分、更新費用がかかる点には注意してください。
まとめ
ドメイン名の決め方について、要点を整理します。
- ドメインは世界で1つだけの、早い者勝ち。決めたら早めに取得する
- 短くて、覚えやすく、伝えやすい名前にする
- 不要なハイフンや、紛らわしい文字の使用は避ける
- キーワードを含めるなら、ユーザーが内容をイメージしやすい名前にする
- TLDは「.com」が基本だが、「.jp」や新しいTLDも、目的に合わせて検討してよい
- 更新費用や、過去の利用履歴も、取得前に確認する
- 他社の商標を侵害していないか、J-PlatPatなどで必ず確認する
ドメイン名は、サイトの顔となる大切な要素です。取得してからでは、簡単にやり直せないからこそ、事前の確認が欠かせません。ドメインの空き状況や、取得済みドメインの登録情報、DNSの設定状況を調べたいときは、ドメインチェッカーなどのツールも活用しながら、納得のいく名前を選んでください。